『コロナを越えて 〜慈しみの中に光を』が発売されました。
内容紹介
二〇二〇年初頭、中国武漢から発生した新型コロナウイルスはあっと言う間に世界各地に広がり、世界中の人々の暮らしに大きな影響を与えました。
このウイルスは厄介なことに、社会的動物である人間の最善の本能を利用し広がります。困難を迎えたときに私たちは、信頼する人との接触を求めます。
親戚や友人、隣人が病気になれば助けに行きたいと思いますが、このウイルスはそうした私たちの行動を利用して伝染します。
最愛の家族が重病に陥っても会うことを制限され、亡くなった人とのお別れも出来ないケースや、大事な方の葬儀にも容易に参列することが許されない場合もあります。感染者の増減に一喜一憂する中で、かつての平常な生活を早く取り戻して欲しいと思う一方、不安と苦痛や悲嘆がじわじわと深まって行くのを覚える日々が続いています。
中略
「人々の心の支えになるべき僧侶として、この事態に何をなすべきか」
中略
同じ志を持って布教に取り組んで来た他の布教師の方々が「コロナ禍の中で何を想いどのように生きようとしているのか」気になりました。熟考の上、私が信頼申し上げ
る七人の方々に、ご自身の経験に則った論考を依頼致しました。いずれの方も、上辺の言葉ではなく、日頃の実践の上に根差した真摯な道を模索し、人々の心に寄り添おうとする布教を目指しています。
その体験から生まれた言葉が、「これから僧侶が向かうべき道を学ぼうとする際の一つの示唆になるのではないか」と考え、この小冊子が生まれました。
僧侶だけではなく「仏教に関心のある多くの方に読んでいただきたい」という願いを持って、この本を編集致しました。広く皆様の御意見を仰ぎたいと存じます。
責任編者:佐野俊也